日本の城跡

戸吹城(別称:根小屋城・新城・二城)

主郭に続く痩せ尾根道
訪問日 H24年 6月
ポイント 秋川から多摩川の南岸に続く山地上にあり、南側は緩斜面になっているが、北側は川に望む50m強の絶壁になっている。登城坂を登った正面に東西を走る尾根があり、そこに祠のある櫓台がある。櫓台の東西に尾根に並行して横堀を設け、南側の斜面に数段の帯郭を配している。そして尾根の東西を竪堀、堀切で遮断して城域を確保している。一方、櫓台の北側は左右が崩落して垂直の絶壁となった痩せ尾根の細道の先に、二の郭とその先に堀切で区切った、現在はやはり垂直絶壁で囲まれた狭い主郭がある。烽火台を守る砦であろう。
印象 城の進入口を見つけるのに一苦労す。会社の寮の脇から登城、急坂をいっきに上がるとそこが城跡。東西の尾根道を堀切、竪堀で遮壇、そこから北に伸びる尾根道の先に主郭がある。これらの尾根は土壌が弱く、加えて自然災害等で崩れ、かなりの城域が消滅している。特に主郭へは入山禁止になるほど、尾根道は垂直絶壁の細い道になっていたが、あえて強行突入した。結局途中で引き返したが、後で写真を見て身震いした。一歩足を踏み外したら垂直落下していたろう。無理はいけない。
地図
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略史  築城者、築城時期は定かではないが、西から檜原城、戸倉城、網代城と続く烽火台のネットワークのラインが滝山城に至る線上に戸吹城が位置していることから、後北条氏が築城したと思われる。滝山街道(古甲州街道)をおさえ、武田氏の侵攻に備える役割を果たした。しかし武田軍の滝山城攻撃の後、後北条氏は八王子城に移った為、戸吹城の役目は終わった。
根小屋
南側腰郭
同帯郭・横堀
南郭虎口
同櫓台
同東側尾根・下に帯郭と横堀
同尾根の土橋・竪堀
同反対側より
同竪堀
同竪堀と横堀が合流
その先の尾根
西側尾根の堀切
その先の尾根
南郭・土塁
同西側尾根の横堀
南郭
馬出し
横堀
馬出し
二郭絶壁
馬出しから二郭への痩せ尾根道
同絶壁
二郭