四の郭に立つ城碑

訪問日	H２６年　１月
ポイント	勝連城は梯郭式の縄張りを持つ、総石垣の平山城である。垂直断崖の上に高石垣が聳える要害である。一の郭を頂部に、南東に広がる斜面に二の郭・三の郭・四の郭を配し、その東の高台に東郭を構えている。一の郭の外周の石垣は一部外側に張り出しており、横矢が掛かっている。四の郭の石垣は緩斜面の曲輪を包むように長城形式で築かれている。沖縄には様々な神が存在している（例えば村を守る神・台所を守る神等）が、勝連城はこれらを祀る場所「御嶽」が多く存在する神聖な場所である。
印象	下から見上げると、写真で見るヨーロッパの城郭・要塞のようだ。雰囲気のある城、規模も大きい。坂道を上がっていくと二つの台地間の窪地に四の郭が、ここはほとんど原形をとどめていないが、炊事場などの住居跡や井戸がある。更に東の郭方面に長城のような石垣が斜面を駆けあがっていた。次に三の郭から階段状の二の郭に上がっていく、とにかく御嶽と井戸が多い。最後にがっしりとした城壁に守られた一の郭へ、ここにも御嶽と建物跡が残っていた。ここからの眺望は抜群、三方の海が見渡せた。
地図

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略史　　勝連城は１１世紀頃、英祖王系の大成王の五男が初代城主であった。その後六代目に嗣子がなく、伊波城主伊波氏の六男が養子となって勝連按司を継いだ。しかし九代目の暴政によって民心を失い信望の厚い阿麻和利によって倒された。阿麻和利は善政を敷き、東アジア中心に海外貿易に力を入れた為、勝連は栄え勢力を拡大した。阿麻和利は王権を脅かす存在になった為、琉球国王の尚泰久は娘を降嫁させ姻戚となり、更に国王の忠臣護佐丸を中城城に配し、阿麻和利を牽制した。しかし阿麻和利は護佐丸を讒言により滅ぼし、王国奪取を目指して首里城を攻撃した。妻とそのお供であった大城賢勇はその叛意を事前に首里城に伝えていたため、備えを固めていた王国軍に大敗した。阿麻和利は勝連城に立てこもって抵抗したが、大城氏が率いる王国軍に攻め落とされ滅亡した。勝連城はこの時廃城となった。その後建築資材等に石垣は持ち去られ荒廃したが、琉球政府の地道な発掘調査と今般の世界遺産登録で復元されつつある。