日本の城跡

黒羽城

土塁・大空堀、アジサイが一面に

訪問日	Ｈ１６年　７月
ポイント	下野国屈指の大規模な城。那珂川と支流の松葉川に挟まれた断崖上に築城。大関氏は戦国時代から明治維新まで変わらなかった珍しい城。
印象	那珂川と断崖を利用した戦国時代の色彩を強く残している城。石垣、土塁、空堀等遺構は多く残っている。特に大手門の役割をもったと言われる大関氏の菩提寺、大雄寺の藁葺き屋根の回廊は見事である。但し公園整備の観点からか、アジサイが沢山植えられていてきれいだが城跡の雰囲気が薄れる。
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略史　　大関氏は那須氏に仕え、那須7騎（那須、大関、大田原、福原、千本、芦野、伊王野）の最右翼として活躍、勢力を拡大した。しかし互いに勢威を恐れた大田原氏との抗争で大関増次は大田原資清に急襲され自殺、資清の子大田原高増が大関氏を相続した。高増は黒羽城を築城し支配体制を確立、更に時勢を巧みに乗り切り秀吉の小田原征討に参陣、次の資増も関ヶ原の役では奥州の最前線の基地として大改修し家康の本陣とする計画であった。これらの功により加増受け黒羽藩を立藩、中世土豪が見事に近世大名に転身した。しかし藩内では五人の重臣、公知衆の存在が強くその後の藩主の交替にも影響を与え、特に幕末、増裕が陸海軍奉行・若年寄を歴任する英傑であったが家臣の強要で要職を辞任させられた。戊辰時勤王方として会津攻撃の拠点となった。大田原氏同様、中世以来の地に土着した近世大名で、一氏支配を続けた。

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